産後うつ(産後欝)こんな症状なってない?セルフ診断でチェックしよう!
2018/10/03
気分が落ち込んで、赤ちゃんのお世話も、家の用事もする気が起こらない」など、出産前に比べて気だるさがひどいなら、それは産後うつかもしれません。
産後うつの原因は、産後に女性ホルモンの分泌量が妊娠前や妊娠中から劇的に変化することで起こります。
産後ならでは不調が現れたら、日ごろの生活習慣を見直して、体と心をゆっくり休ませてあげましょう。
ホルモンバランスの不調や生活環境が原因の産後うつは、診断シートでセルフチェックできます。
毎日の生活習慣を整えて、産後や育児のイライラを乗り切りましょう。
産後うつとは?産後うつの原因は?
女性ホルモンには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があります。
妊娠すると赤ちゃんをお腹の中で育てて、無事出産する準備のために、この2つのホルモンが大量に分泌されます。
エストロゲンは気持ちを安定させて、プロゲステロンは気持ち不安定にさせてしまいます。
出産で胎盤が体の外に出ると女性ホルモンの分泌が一気に減少します。
気分を安定させてくれるエストロゲンの分泌が減ると、セロトニンと言う精神を安定させるホルモンの分泌も少なくなります。
その結果、生理が終わってしまう変形のような状態になり、「つらい、だるい」といった更年期特有の症状が起こりやすくなります。
産後うつの原因は、ホルモンバランスの乱れで起こる体の変調だけではありません。
慣れない赤ちゃんのお世話は「母親」「育児」といった新しい役割への戸惑いや不安、睡眠不足、閉じられた世界で2人きりの生活など育児環境も原因のひとつです。
またパパや両親、家族といった人間関係のストレス、経済状況など取り巻く環境も大きな原因となっています。
産後うつ診断のセルフチェック
「1日中、調子がおかしい」と感じているなら、その症状が2週間以上続いているかどうか確認してみましょう。
次のチェックリストのうち、最近2週間で当てはまる項目をチェックしてみましょう。
【産後うつ診断 チェックリスト】
●なかなか疲れが取れない
●寝ようと思っても眠れない
●理由もなくイライラする
●将来に希望が持てない
●赤ちゃんを可愛く思えない
●パパに愛情を感じない
●食欲がない
●食べ過ぎてしまう
●急にカッとするなど、気分が変わりやすい
●今まで好きだったことに興味がわかない
●気分が落ち着かない
●不安に駆られて、そわそわする
●集中力がない
●記憶力が悪い
●必要もなく自分を責めてしまう
●自分を情けなく思ってしまう
症状が2週間以上続いている場合
チェックした症状が、一日だけでなく2週間以上ずっと続いていると感じる場合は、産後うつが疑われます。
心療内科や精神科の専門の医師に相談して、必要な治療をしましょう。
症状があっても継続していない
上の表にある症状は女性ホルモンの変化によるもので、産後ママなら誰でもいくつか経験することです。
チェックした数が多くても、2週間以上続かずに1日だけとか、数日続く程度なら心配はいりません。
産後うつの症状。いつからいつまで続くの?
女性ホルモンの減少で不安定になりやすいのが、産後5日から10日です。
この時期、気分がすぐれないのが「マタニティーブルーズ」と呼ばれるもので、特別な理由もないのに不安感やイライラを感じることが多くなります。
マタニティーブルーズは、2週間ほどで収まるのでそれほど心配することはありません。
産後うつは、産後2週間から4週間を過ぎてから「気分が落ち込んで、赤ちゃんのお世話も何もする気が起こらない」など、日ごろの生活ができない状態が続きます。
1日中気分が落ち込む、不安感でイライラする、体がだるい、疲れやすいなどの深刻な状況が2週間以上続く場合は、産後うつの心配があります。
例えば、今まで普通にやってきた献立が考えられなくなったり、掃除や洗濯がスムーズに進まないなど家事ができないことへの罪悪感がピークに。
考えが整理できずにまとまりがつかなくなって、「こんなの私じゃない…」と混乱して自分を責めてしまいます。
産後うつになると自分を追い込んでしまいがちになって、無理をして食欲や性欲を押さえ込もうとしたり、夜中の赤ちゃんの授乳を優先しすぎて必要以上に睡眠を削ったり、それが原因で朝まで眠れないなどの状態に陥ることがあります。
「育児書通りに育児をしないと」という思いが強すぎて、必要以上に授乳の量や時間にこだわったり、「育児書のように赤ちゃんが成長しない」ことを全て自分の責任に感じて「私はダメな母親なんだ」と思い込むケースも。
「赤ちゃんを守ろう」と思うあまり、パパや周囲の人のアドバイスに傷ついたり、反感を持つなど感情のコントロールができなくなってしまいます。
お化粧やお洒落が好きだった人が自分の身なりにかまわなくなったり、ショッピングに行って自分好みの服を見つけても欲しいと思わないのは、うつが進行していて心が大きな悲鳴をあげています。
産後うつは心の病気のひとつ。
原因が解決しない限り自然に治らないので、「疲れても気分転換をしたいとも思わない」などの場合は、ひとりで悩むのではなく迷わず受診しましょう。
産後うつにならないために
産後うつの原因の1つ、ホルモンバランスの乱れは規則正しい生活習慣をすれば、徐々に改善されます。
ストレスを溜めない生活が、出産後の体や心の変化やトラブルをメンテナンスする方法です。
出産後のママたちが悩むことが多い不調を、5つの生活習慣を心がけて乗り切りましょう。
栄養バランスの良い食事
出産後に体重が増えてしまってダイエットをしているママも、食べながら体重を落とせるのが「食事時間ダイエット」です。
朝食はエネルギーの元になるご飯やパンなどの炭水化物をしっかり取り、手軽に食べられる卵、カット野菜など時間がかからない生野菜を朝食メニューに。
昼はエネルギー消費量が高いので、フライ物や肉類などたっぷり栄養補給しましょう。
理想的な夕食の時間は18時から19時ですが、遅くても21時までに食事が終えることと、カロリーが低めの和食中心の栄養の良い食事を心がけましょう。
大豆製品は女性ホルモンを作るイソフラボンが豊富に含まれていて、繊維質も多く便秘解消に良い食材で、出産後のママは多めに食べると◯
カルシウム不足はイライラを招きやすいので、豆腐、納豆、小魚、桜エビをメニューに加えて気持ちを穏やかにする工夫をしてみましょう。
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早起きして朝日を浴びよう
朝、太陽の光を浴びると心を安定させるセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。
赤ちゃんの頃に早起きの習慣をつけていると成長してからの子育てが楽になるなど、子育てにも早起きの習慣は欠かせません。
真夜中の授乳で睡眠が不規則になると、規則正しい生活をするのはなかなか難しいかもしれませんが、できるだけ早起きして、太陽の光を浴びるようにしましょう。
体を冷えから守る
ホルモンバランスが崩れると血液循環が悪くなり、血の巡りが悪くなると、指先や脚の指が消えて、頭痛や肩こりが治りにくくなってしまうのです。
体の要と言われる腰の冷えは「女性の大敵」、特に下半身をしっかり温めて、体を冷やさない工夫を心がけましょう。
睡眠は体のリズムを整えて、1日の体温調節のバランスをとってくれます。
昼間の15分の睡眠は、夜3時間の睡眠と同じ効果があるので、赤ちゃんの昼寝中は一緒に寝て、睡眠をしっかり取りましょう。
家族や周りの人に育児を手伝ってもらう
育児を1人で抱え込まずに、休日や夜はパパに育児を頼んだり、両親にヘルプのお願いをしましょう。
頼みづらい、頼める人が近くにいない場合は、1時保育などの育児支援を積極的に活用すると、心と体に余裕ができますよ。
子育て支援センターや助産院などで、子育ての悩みや愚痴を聞いてもらうのも◯
リラックスした毎日を
ストレスが加わると体調の悪化を招くことにもつながります。
赤ちゃんに意味もなく感情的になるのは控えたいですが、お互いの気持ちに寄り添いながら気持ちを赤ちゃんに伝えてみましょう。
「毎日、大変な育児をしっかりやっている」「今日もしっかり面倒を見られた」と自分を褒めてあげると、心が安定しますよ。
疲れた時は、おいしいお茶やお菓子でリラックスしてみませんか?
家事や育児を完璧にこなそうと思わず、上手に手抜きしていきましょう。