子供の落ち着きがない(悲) それADHD(注意欠陥・多動性障害かも?
2016/09/25
子供はもともと落ち着きがないものですよね。
でも「授業中にウロウロ歩きまわる」「食事に集中できない」など、「自分の子供の頃と違うな」と感じてませんか?
「もう少し大きくなったら、自然に治るんじゃない?」と対処が遅れると、うつや不安障害等を起こしやすくなります。
子供が生活で困ることを、きちんとケアしてあげましょう。
落ち着きのないのは「注意欠陥・多動性障害」かも?
ほかの子供に比べて目立って落ち着きのなさがあるなら、「注意欠陥・多動性障害」の心配があります。
例えば、
・何かに集中できない
・感情をコントロールできない
・記憶するのが苦手
といった子供の様子の場合、脳のある部分の機能が正しく働いていないのです。
注意欠陥・多動性障害の原因は、脳の実行機能と呼ばれる働きが低下する発達障害です。
厚生労働省がHPで「発達障害ってなんだろう」と解説があるように、問題のあるひとつの分野として認識されています。
脳の実行機能の中にある「集中・感情のコントロール・記憶」などの機能が十分働いていないのが原因です。
これは脳の神経細胞と神経細胞の間で情報伝達をしている「ドパミン」や「ノルアドレナリン」と言う神経伝達物質が関係していると、最近の研究でわかってきました。
こういった神経伝達物質の働きが未発達な子供に、発達障害が起こります。
【注意欠陥】
・学校の授業で、集中が続かない
・落ち着きがない
・勉強の本や宿題を忘れるなど、忘れ物が多い
・部屋が散らかって、片付けが苦手
【多動性・衝動性】
・授業中、席を離れ歩き回る
・おしゃべりが止まらない
・順番を待ってない
・すぐにカッとなる
落ち着きのない子供は、学校でも家でも困ることが多いわ。
成績が上がらなかったり、人間関係でつまずきやすいから、サポートが大事なの。
就学前の子供や幼稚園児、落ち着きのなさを治すには?
落ち着きがないからといって、だれもがADHD(注意欠陥・多動性障害になっているわけではありません。
子供はもともと落ち着きがないもの。
例えば、伝えたいことがあっても思うように言葉で表現できない、新しい世界にウキウキして知りたい経験したい欲求が抑えられないなど、体の成長と心の発達によるところが大きいのです。
でも、「でも」です!
毅然な態度で叱らないなど、落ち着きのなさを放置しておくと、後々のしつけが大変になってきます。
「叱る・ほめる」でしつけることは、これから社会生活をする上で大切で、「常識」を身に付けさせないと後々子供が困ることになるのです。
落ち着きのない子は、夜など決まった時間に一緒に絵本を読むなど、精神的な安心を満足できる時間を作ってあげることです。
最初は難しいですが、根気よくトライしていきましょう。
習慣づけするのに時間はかかるから、くじけず頑張ってね。
小学生が授業中、落ち着きのないのは、単に「おふざけ」かも?
先生が授業をしているのに歩き回る、いつもキョロキョロしているなど、落ち着きがないといわれる子供が皆、「注意欠陥・多動性障害」とは限らないのです。
小学生のときは、友達から「笑ってもらえる」「構ってもらえる」のが「自分が人気がある証拠」と誤解している子もいます。
その場合、注目を集めたいから、授業中歩き回ったり、周りにちょっかいを出す行動に出てしまいます。
また周りに気遣いができる子の場合、自分よりも周囲に気が向く傾向にあるので、空気をなごませたい、おせっかいをやきたいなどの理由で、必要以上におしゃべりになってしまうケースもあります。
最近多いのが、公文などで早期教育を受けた子の場合です。
レベルの進んだ子は自分の学年より3~4学年上の内容まで習得してしまっているので、実際の自分の学年で習う内容が低くて興味がもてないのです。
「授業が退屈すぎる」「面白くない」「興味がわかない」などの理由で、学校の授業似集中できず、注意散漫になるケースがあります。
どの場合でも、学校という集団生活だと落ち着きがない、しゃべりすぎるなど問題視される行動になりますが、家庭だと落ち着いていたり、勉強をしっかりするなど態度が違ってきます。
子供の落ち着きがないからといって、すぐになる子供もいるので、家庭生活と学校の学習態度の両方から判断しましょう。
ダメなきちんと理由を説明して、子供の態度が変わるならそれは発達障害ではありません。
今と将来にこんな心配が…
注意欠陥や多動性障害の子供は、いろいろな問題に直面しやすいのです。
学校の成績が悪い
先生の指導に集中できなくて、勉強の内容がわからないので、テストの点数が上がりません。不注意や忘れ物が多いなどで、成績面の評価も低くなりがちです。
人間関係でつまずく
トラブルメーカーになりやすく、仲間外れの対象になったりします。
おしゃべりが多い、順番を待てない、すぐにカッとなって叫ぶなどの言動で、友達とのトラブルや周囲に誤解を与えます。
自分に自信を持てない
いつも落ち着きが無いので、幼い時からパパやママ、幼稚園や保育所の先生からいつも叱られ続けています。
人と違った行動で、いじめの対象になりやすく、自尊心が育ちません。
自分が認められないから、非行に走るケースも少なくないのよ。
落ち着きがなさ過ぎる子供。3つのしつけ方
注意欠陥・多動性障害を知っている人は30%程度で、対応の仕方があまり知られていません。
「落ち着きのない性格」と見過ごされて、正しい対応ができず、本当の力を出せない子供が多いのです。
でも、薬や環境改善、行動療法を組み合わせるなど適切な対応で、行動の改善が見られる場合がよくあります。
① 今は、薬で治療が主流
子供が発達障害になっているのを認めるのは辛いですよね。
体の病気と違い、精神面・発達面の障害は周囲から誤解を受けやすいですが、体の治療と何ら変わりません。
小児神経科などの専門医に相談して、適切な薬物療法をすれば、特徴的な行動が改善します。
これまで多くの研究から、「8割~9割の子供に行動の改善が見られた」と言う結果が出ています。
以前は薬による行動改善は、最終的な方法だったのですが、今では注意欠陥・多動性障害の治療の中心になっています。
効果のある薬には、次の2種類があります。
神経伝達物質のドーパミンの働きを改善させる
神経伝達物質のノルアドレナリンの働きを改善
② 環境改善で行動に変化が!
授業を受ける環境を変えると、落ち着きのなさや集中力にも変化が見られます。
例えば、先生の目が届きやすい最前列の座席や、落ち着きのない他の子ども達と距離を作るなどの改善策です。
座席を中心に動いてもよい範囲を決めたり、授業や活動の中で席を離れて良い時間を作るなど、教室全体の雰囲気が大切です。
③ 家庭でも大切な「褒める子育て」
落ち着きのない子は、物心がつかない時からパパやママに叱られて、自分の良さを見つけられない子が多いです。
だからこそ、小さな事であっても今までできなかったことができるなど行動に変化が見られたら、たくさん褒めてあげましょう。
「長い間、じっとできたね」「ずっと座られてえらかったね」など、努力したことや何ができたかを言葉で伝えるようにします。
落ち着きのない子供に悩んだときは…
「激しく落ち着きのない子」は注意欠陥・多動性障害の可能性が高いです。
学校や家庭だけで対応しようとしても、すぐに解決できません。
小児神経科・児童精神科などの専門医や地域の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援センター、児童相談所等を訪れて、支援を受けられるところを紹介してもらいましょう。
過ごしやすくなってきましたね!子育て、頑張ってね!