賢い赤ちゃんは運動神経がいい?ハイハイ・ずりばい・たっち期の脳
2018/10/03
「将来、頭の良い子になってほしい」「運動神経がよくなってほしい」と親なら子供の成長に夢を持ちますよね。
ベッドに横たわっているだけの赤ちゃんが、ハイハイを始めてあんよができる成長ぶりを見ていると、「この子はどんなふうに育っていくんだろう」と期待も大きくなります。
脳と運動神経の発達を高めるために、パパやママが子供と一緒にたくさん遊んであげることが大切ですよ。
賢い子供に育てるために、赤ちゃん時代の運動能力を発達方法を紹介します。
たくさん遊んで、運動神経が良い子に
赤ちゃんの運動神経は、最初は頭、月齢が進むと足の方へ発達していきます。
運動神経は、脳が筋肉に体を動かすための指令を伝える回路のことです。
赤ちゃんは新しい体の動きを経験することで、この伝達回路がだんだん太くなっていきます。
運動が得意な子ほど、この筋肉を動かす回路がしっかりしていて、2才までに大人の半分まで発達するといわれています。
「賢いこと」は「考える能力があるかどうか」で、「考える」というのは神経伝達が上手にできるかどうかで決まります。
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生後0ヶ月から1才までは思考能力が行動に現れるので、この時期に運動神経、つまり「脳が筋肉に体を動かすための指令回路」が後々の脳の発達にも影響してきます。
だから、うつ伏せができる3ヶ月ごろから、つかまり立ちやあんよができる1才頃までに、パパやママが運動の基本になる動きをサポートしてあげることが大切なんです。
2才までに大人の半分まで発達した運動神経は、5才までに約80%が発達するといわれているそうです。
2才になると子供は自分の考えで走ったり歩いたりするようになりますが、この時「動くことが楽しい」と思わない子供は、十分運動神経を発達させることができないのです。
0才~2才の間に体を動かす機会が少ない、家の中ばかりで遊ばせている、スマホが子守の道具になっているなどの環境だと、運動神経が鈍くなりがちで賢い子供に育つ可能性も低くなるということです。
そのためにも、赤ちゃん時代に「動く事は楽しい」と感じられる環境を作ってあげることです。
赤ちゃんとのふれあいを楽しいものにして、楽しみの中で運動神経を育てていきましょう。
月齢ごとの脳と運動神経の発達は?
うつぶせやハイハイは、背骨を中心にした体の中の筋肉を鍛える大切な運動です。
最近は大人でも体幹を鍛えて、アンチエイジングやメタボリックを解消するエクササイズもありますが、赤ちゃんは成長過程でこの体幹を鍛えているのです。
体幹がしっかり鍛えられると、平衡感覚や体全体のバランスを取りやすいので、運動能力が高まる要因にもなります。
ねんねで首を動かす(生後2ヶ月ごろ)
生まれてすぐは、胎児のころからしていた動きが続くので、大きく手足を動かすことはありません。
次第に赤ちゃんの脳に変化が起こり、不規則に動いていた体が、脳からの指令で連携して動くようになります。
脳や体が急激に発達するこの成長は、「生後2ヶ月革命」といわれています。
でも、笑うような表情(心理的微笑)は感情表現と違っていて、不快なことは泣くことでしか訴えられません。
ママの声や匂いを認識する聴覚や嗅覚も発達していく時期で、ママのに抱っこされるとママだと分かり安心します。
うつぶせ(生後3ヶ月ごろ)
体の中で1番早く育つ部分が目で、何かを見ようと頭を動かすことで、首の筋肉が発達していきます。
首座りができるようになると、うつぶせの状態でも腕でしっかり床を支えられるので、同時に背筋も育っていきます。
3ヶ月頃までは、体を屈めるための筋肉(屈筋)が成長する時期です。
エビぞり・反り返り(生後4カ月ごろ)
抱っこの時に赤ちゃんが背中を反らせる「反り返り」は、体を伸ばす力(伸筋)や腹筋や背筋がついてきた証拠です。
エビぞりをする時期には、赤ちゃんの背中を押してあげると、反射的に元に戻ります。
赤ちゃんの体はとても柔らかくて骨が折れるような心配はないので、腹筋や背筋をほどよく鍛えられる状況を作ってあげましょう。
寝返り・首すわり(生後4カ月~6カ月ごろ)
生後4ヶ月後半には、ほとんどの赤ちゃんの首がすわって、5ヶ月~6ヶ月では寝返りができるように。
人の顔を見て笑う、授乳後に満足そうな顔をするなど、表情が豊かになるのは脳が育ってきた証拠です。
脳には「感覚をつかさどる右脳」と「論理的思考をする左脳」があって、脳と表情には深い関係があります。
赤ちゃんが表情豊かに育っているのは、右脳が発達して感情や感性、気持ちを伝えやすくなっている証拠です。
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お座り(生後7ヶ月ごろ)
腹筋と背筋に力がついてくると、腰が座っておすわりができるようになります。
1人でも上手にバランスをとっておすわりができるのは、体幹が育ってきた証拠です。
おすわりができると、手足が自由に動かせるのでパパやママの真似をしたり、いろんな仕草で手足を動かす楽しさを経験しています。
運動神経と一緒に脳も発達していて、「認知する力」「記憶する力」が伸びていきます。
ずりばい、ハイハイ(生後8ヶ月~9ヶ月ごろ)
上半身の筋肉がついてくると、うつぶせでお腹を床につけたまま、手足を使って前や後に進もうとします(ずりばい)。
太ももやお尻周辺の筋肉が発達してくると、お尻を持ち上げて前後に移動できるようになります。
体を支える腕と両足に胴体と頭の体重をかけながら移動することで、手足と体幹が鍛えられ、歩くことにつながっていきます。
手足を使うと大脳が刺激されて、知能の発達を促されます。
赤ちゃんは見たり聞く事は理解できないので、手のひらの感触で情報を理解しようとします。
周りにあるものは何でも触ったり舐めたりするのは、ものに興味を持って、体を動かすことで学ぶ力を育てようとしているのです。
手足を使うと大脳が刺激されて、知能の発達も促されていきます。
つかまり立ち、つたい歩き(生後9ヶ月、10ヶ月)
つかまり立ちやつたい歩きは、手足の筋肉がついてきた証拠。
今まで床に近い視線で生活してきた赤ちゃんにとって、これまで経験しなかった高さからものを見るのは、知りたい興味と歩きたい欲求を育てます。
立っち、あんよ(生後11ヶ月~)
脚の筋力がつくと、上半身の筋肉バランスも整ってきて、1人で立てるようになります。
片足ずつうまく体重移動させながら、バランスを取る練習が歩き始めです。
最初はぎくしゃくした歩き方ですが、次第に体重移動がスムーズになって、次第に平行感覚も発達していきます。
全身の筋力、平衡感覚、反射神経といった様々な筋肉や反応を育てる時期なので、遊びの中で子供をサポートしながら全身トレニングをしてあげましょう。
「立って歩く」が運動神経の良い子の第一歩
考える力を持った人間は、猿が二足歩行するようになり、脳が発達したからといわれています。
それと同じで、赤ちゃんも立って歩くことで運動神経と脳を発達させていけるのです。
正しく歩くようになるには、赤ちゃんの成長に合わせた関わり方が大切です。
体の使い方を学びながら運動能力を発達させている赤ちゃんは、認知能力を発達させて、人や物を区別する力や、パパやママの会話を理解する力をつけています。
興味の幅が広がると、感情を表現や周りの大人の気持ちを読み取る能力が備わったり、喜びや恐怖などの感情を理解できるようになってきます。
赤ちゃんの発達は、運動能力も脳の発達もゆっくりと段階的に成長し続けるので、あせらず受け止めてあげることが必要です。
「みんなが歩く時期になっても、自分の強歩く気配がない」などの悩みがあるかもしれません。
でも足腰と上半身の筋肉が整えば、必ず自分の意思で立とうとするので温かく成長を見守ってあげましょう。
赤ちゃんの学習能力と脳
赤ちゃんの発達には、専門家の中で2つの説があります。
学習説
人間は外からの刺激を受けて、それに反応する事を繰り返して学習する、つまり赤ちゃんが親に働きかけられることで成長する説
生得説
人間には生まれ持った学習能力があって、自発的に動いて、成長していくことを覚える能力を赤ちゃんも備えているという説
生まれたての赤ちゃんは、何も知らない真っ白な状態で生まれてくるって思いますよね。
赤ちゃんは生まれつき、脳を働かせる力をつけていると考えられています。
赤ちゃんはママのお腹にいる時から、周囲の音や声を聞き、いくつかのことを学んでから生まれてくるようです。
生まれたその日から、ママの声と外の音を聞き分けられる能力があり、生まれてからすぐこの学習能力が発揮されるといわれています。
最初はうれしいや悲しいなどの感情を感じていませんが、数カ月かけて認知能力を伸ばす中で、感情の幅が広がって行きます。
感情の広がりは脳を刺激することで、認知能力の高さ、将来的な脳の発達に関係しています。
子供の感情を上手にはぐくんで、賢い子に育てていきましょう。
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