子供が咳の薬を飲み続けるのは危険!知っておきたい副作用と対処法
風邪をひく子供が多くなる季節になってきましたね。
風邪のひきはじめなど、せきやたんはたくさんの病気で起こる症状です。
咳止めは身近にある薬ですが、副作用や使ってはいけない場合などがあるのでしょうか?
子供の風邪の状態を見て、適切な手当てをしてあげましょう。
咳は体に必要な働き
咳は、風邪などの感染症、呼吸器の病気の代表的な症状です。
空気を吸うと、肺に空気と一緒にほこりや病原体などの異物が喉や器官に入ってきます。
咳には「生体防御機能」と言う体を守る働きがあります。
それは、器官の粘膜から分泌されるタンが、体に入ってきた異物をからめとって、咳で体外に出してくれると言うものです。
咳が続くと、市販の咳止めで治そうとしがちですが、咳を止めてはいけない場合もあるんです。
咳止めの薬を使ってはいけない時は?
タンが多い時は、それを出そうとして咳が出ています。
これは健康になるために必要な咳なので薬を使ってはいけないのです。
昔には気道の異物を出して体を守る役割があるので、むやみに止めれば良いと言うものではありません。
市販の咳止め薬には、鎮咳薬や去痰薬のほか、気管支炎拡張薬や抗ヒスタミン薬などの成分が配合されています。
咳止め薬は、咳が出続けて辛いなど、体力の消耗を防ぐためのものなのです。
咳止め薬を飲んでいても症状がずっと変わらない、咳がひどくなった場合は飲み続けない方が良いのです。
咳止め薬に副作用はないの?
咳は、咳を出すスイッチが刺激を受けて、それが咳中枢に伝わって起こります。
咳止めの薬は、咳が出る仕組みのうち、脳に働きかけて咳の反射を抑える効果があります。
薬には咳を出すスイッチを鈍くしたり、脳の反応を抑えるので、ぼっとしたり眠気が出る副作用があります。
咳止めの薬は、成分で麻薬性と非麻薬性の2種類があります。
麻薬性のほうは咳を止める作用が強いのですが、副作用で便秘になりやすいものです。
咳止めの薬を飲んで便秘になるのは、体調が悪いせいでなくて、薬が原因なんです。
風邪のときの咳止めの使い方
風邪をひいて医者にかかると、解熱鎮静剤と一緒に咳止めを処方されることが多いですよね。
処方された薬は、全部飲みきっていますか?
風邪の薬と咳止めの薬は、治療の目的が違うので、薬の飲み方も変わってきます。
風邪の薬は、風邪の原因のウィルスに対する治療ではなくて、風邪の症状を軽くするためのもの。
だからウイルス性感染が原因の時は、途中で止めると耐菌性を増やす心配があります。
でも咳止めの薬は症状が改善されたら、処方されたものを全部飲みきらなくてもいいのです。
風邪が治ったのに、咳が残る場合は?
風邪が治った後も続く咳や、感染による炎症もひいているのに相変わらず出る咳を、感染後咳嗽(がいそう)といいます。
これはウィルス感染によってなどの刺激を受けて続けて、脳の咳中枢が刺激され続けているために起こります。
風邪に後にしつこく残る咳は、一般的な咳止め薬を飲んでもあまり効果は期待できません。
ある程度の時間をかけていけば、徐々に治まっていくものが多いので、食事や睡眠に気をつけることが大切です。
もし長引くなら、肺がんや結核などが原因の場合もあるので、胸部エックス線検査で病気を確かめましょう。
咳の薬を使い続けてもいいの?
長く咳の薬を使うと、皮膚に湿疹ができたり、いがむかむかするといった副作用が起こります。
麻薬性鎮咳薬のコデインなどは、便秘がひどくなって吐いたり、眠気が強くて生活に支障が出る場合も。
また咳止め薬を使っても咳が止まらない場合は、別の病気の合併症や咳喘息などの心配があるので、医師の検診を受けましょう。
日常生活で気をつけることは?
規則正しい生活や疲れをためない、暴飲暴食をしないなど、基本的な健康管理がとても大切です。
冬場は、手洗い、うがい、マスクなどで感染を予防。
咳の多くは風邪が原因で、風邪自体は自体は自分の体の働きで治すものなので、薬に頼らず回復できるよう、安静と栄養に気をつけましょう。